サックス・パッド(タンポ)の購入

サックスのコンディションを大きく左右している、パッド(タンポ)。パッドには様々な種類があり、操作感や音色に影響を与えています。なかなか奥が深い分野です。

オーバーホールをするにはパッドを購入する必要があります。

国内にもパッドを扱っている業者や流通網ももちろんあるのですが、個人向けに販売しているところは少なく、その多くがリペア業者向けです。

個人向けにパッドを販売しているのは、以下のサイトがあります。

  • Music Center (伊) – ピゾーニなどの高級パッドが購入できるサイト。ピゾーニのプロ・パッドはヤナギサワ社がパーツとして採用している(いた?)パッドです。送料が高いのが玉にキズ。
  • MusicMedic.com (米) – ミュージック・メディック・オリジナルのパッド(旧プレシジョン・パッド)や、カンガルー革のパッド(Roo Pad)などが購入できます。送料が安い。

今回はピゾーニのプロ・パッドを購入しました。プラスティックのリゾネーター(反射板)付きのノーマルタイプです。(ノーマルタイプ以外に、”J”という、少し固めのタイプがある。)

購入時に様々な種類のリゾネーターから選ぶことができ、厚みを4.0mmと4.3mmから選ぶことができます。革の表面がとても柔らかく滑らか、防水加工されていて持ちが良く、パッドの大きさにも誤差が少なく扱いやすいのが特徴と言えるでしょう。

 

キーのガタの修正

マウスピース作りの合間を縫って、テナーのオーバーホールをしています。去年の今頃もオーバーホールの様子を書こうと思い、途中で面倒になってやめてしまいましたが、今年は続けようと思っています。

まずは分解してガタの修正。ビフォー・アフターになっています。

キーにガタがあるとパッドが正常に閉まらなくなることがあるので、大切な作業です。ガタがある場合、キーポストの内側の、ピボットスクリューの頭が当たる部分を削ります。ピボットスクリューがより奥まで入るように調整することでガタを解消できます。

セルマーの現行のモデルは、(SA80シリーズ2以降だったかな?)こうした調整がいらないようにキーの内部にバネが入っている仕組みになっています。

ヴィンテージのコーンでは、こうしたピボットの調整が簡単にできるようにピボットスクリューを横からイモネジで止めて、スクリューの位置を変えられる方式になっています。

その1


その2


ヴィンセント・ヘリング・カスタム・モデル 発売!

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ヴィンセント・ヘリング・カスタム・モデルが発売となりました!

ヴィンセント・モデルのページ

米国、ニューヨークを中心に活躍するサックス奏者、ヴィンセント・ヘリング氏からの依頼で作られたシグネチャー・モデル。

何度もプロトタイプを日本をアメリカの間でやりとりし、完成したモデルです。
彼のアイデアが様々に詰まったマウスピースがやっと完成となりました。

サックス奏者、寺久保エレナ女史が既に使用中です。

発売にあたり、ヘリング氏にコメントをお寄せいただきました。

 

ヘリング氏のコメント

いくつかのマウスピースメーカーと数年に渡って関わってきたが、最終的に素晴らしいマウスピースを手に入れた!

プロのサックス奏者として、私がいままで演奏に使ってきたマウスピースはわずか三つ。

一つは1970年代後半に私のサックスの先生(デイブ・パターソン)から譲り受けたニューヨークメイヤーの5番。二つ目は、ヴァンドレン社によるハンドメイドのプロトタイプで、現在人気であるV16モデルを作るために1990年代に試作された三本の内の一本だ。
そして三つ目が、ケン・オクツによって作られたこの新しいマウスピース。

エクセレント!
マウスピースについて私にメールをしてくる何百という人達の全てに、私は自信をもって言えます、「これが答えだ!」と。

数年もの間、多くのメーカーから私のシグネチャーモデルを作らないかという話があったが、いままで承諾しなかった。今回このマウスピースができるまでは!

もしあなたが、私のサウンドやキャノンボールアダレイやフィルウッズのサウンドが好きなら、この素晴らしいマウスピースを推薦する!