リードを削る調整法について

前回の続きです。

リードのヴァンプの部分を削る調整法ってありますよね。きっと試したことがある方も多いことでしょう。

器楽系雑誌や、教則本などを読んでいると、「リードはワンランク硬いリードを買って、調整して(削って)自分の好みの硬さにすると良い」という記述を見かけるときがあります。

つまり、3番が丁度いい硬さなら、わざと3半を買って削って調整すると良いという意味でしょう。

何度も書くようですが、リードの番号というのは「厚み」ではなく「硬さ」で選別されています。厚みは3番でも3半番でも同じです。

ですので理屈からいっても、いままでの経験からいっても、3半のリードを削っても3番と同じものには決してなりません。削ることでコシの強さだけでなく、リードの厚さのバランスも同時に変化させているからです。

わずかに削るくらいの微調整であればうまくいくことはあるのかもしれませんが、リードを大幅に削るとどんどんペラペラで貧弱な音色になっていきます。

一箱10枚買って、ほとんど10枚とも削らなければならないとしたら、それは銘柄や硬さの選択から検討しなおしたほうが良いように思います。

リードの厚さ?いいえ、リードの硬さです

リードの箱には、3とか、2 1/2とか番号が書いてありますよね。

P1010006

リードの銘柄選びの項でもちょっと書きましたが、このリードの番号は、リードの「厚さ」ではなく、リードの「硬さ」です。「コシの強さ」とも言い換えられると思います。

Youtubeにリードの製造の様子が載っています。

どのメーカーも、 リードを削りだした後に硬さ(コシの強さ)を計って選別していることが判ると思います。銘柄が同じならば、リードの厚さは同じです。

ただし、リードの銘柄が違うとリードのヴァンプの厚みのバランスが違います。一般的に、クラシック用のリードといわれるものは、先端(ティップ)が薄めでヴァンプの真ん中(ハート)が厚め。ジャズ用はその逆です。

250本調べて、分かったこと

マウスピースの大切さに気付いてから、持ち金の全てをマウスピースに投入していた訳ですが、250本も買って調べるとさすがにマウスピースの事がいろいろと分かるようになります。

  • どの部分が音色に関係しているのか。
  • 吹きやすい、吹きにくいは何によって起こるのか。
  • どんな工法で作られているのか。
  • そのメーカーが丁寧に作っているか、手を抜いているか。

などなど。

買ったマウスピースの中には粗悪なものも含まれ、つまり失敗した買い物も多いのですが、どのメーカーがどのくらいの品質のものを作っているのかということを今は大体網羅して知っています。

当時はマウスピースを作ろうなんて別に思っていなかったのですが、この頃の積み重ねは今の仕事に大変役立っています。「敵を知り、己を知れば」ってやつですね。

まだあった、買ったマウスピース。↓

Drake Contemporary Alto 6

drake contemporary alto

買ったマウスピース、250本

十数年前のこと、とあるマウスピースを吹いて「こんなにも吹きやすさが違うのか」と驚いたことがあります。

それまではアルトだとメイヤーとレイキーとか、テナーではリンクとか、マウスピースは数本しか持っていませんでした。今となって馬鹿げていますが、なんというか、マウスピースの違いなんて「気合い」でなんとかなるもんだと思っていたんですね。

それ以降の数年間に渡って、「もっと良いマウスピースがあるのではないか」とあれやこれやと買っていました。

取り憑かれたように買ったマウスピースは250本を越えています。我ながら、かなり無茶な数字ですが・・・。

下の写真はその一部。