私が思うには、メーカーはパッドに主に三つの役割を併せて持たせていました。
まず一つ目のパッドの役割は、当たり前ですが、トーンホールを閉塞する役割。
パッドに今と同じように金属の円盤が取り付けられるようになったのは1930年代くらいのようです。その前はパッドの中心に円盤ではなく、リベットが打たれていました。(さらにもっと前はリベットも中心に何もないパッドでした。)
何も付いていないパッドだと、湿気を吸収して徐々に膨らんでしまい、その防止のために中心にリベットが打たれるようになったようです。
1927 Martin Handcraft
1927年のマーティン社の説明では、”Center Rivet Prevents Swelling” 「中心のリベットが膨張を防ぐ」とあります。
(現在は革に防水加工がされているものもあるので当時よりもっと状況は良いでしょうけど)
このようにリベットやレゾネーターを取り付けることでパッドがしっかり閉じる性能をアップさせていたんですね。
ちなみにビュッシャー社の説明で膨張したパッドが描かれています。さすがにこうなる前には気づくとは思いますが。(笑)