新エボナイトの試作品と、検証にかかった三年間

新しい種類のエボナイトを手に入れたので試作を作りました。

ドイツのメーカーのもので、今まで試したエボナイトの中でもかなり硬い種類のエボナイトです。写真だと全く判りませんが、少し青黒いような色をしています。

私は天然ゴム使用のエボナイトしか使いませんが、同じエボナイトでも含まれる硫黄成分の配合や工法などで素材のニュアンスが変わってきます。

エボナイトは硬くなるにつれて、少し音色の複雑さが減る傾向をもつように思います。雑味が減ってスッキリした音色になるとも言えます。ハイバッフルやフォーカスコアなどであればこういう素材も合うかもしれません。硬いので耐摩耗性も高そうです。

こうした一点物の試作品を自由に作ることができることが、私のように設計から完成までの全てのノウハウを持っているメーカーの強みの一つです。下請けを使っているメーカーや、大量生産メーカーにはない強みです。

仕事としてマウスピース製作を始める前、三年の準備期間があったのですが、このような試行錯誤を朝から晩まで延々とやっていたなぁ、と思い出されます。こうした数多くの試行錯誤が、奥津マウスピースの品質を支えているのです。

 

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