今回のテーマはサックスのキーの分解です。サックスの分解には楽器を傷めてしまうリスクがあり、いくつかの注意点を知っておいた方が良いと思います。
サックスのキーを外す
サックスのキーが取り付けられている方式はだいたい二種類あって、ピボットスクリューで取り付けられているタイプと、キーパイプにシャフト(芯金)が入っているタイプです。いずれもマイナスドライバーで外します。
ニードルスプリングを外す
外すキーにニードルスプリングが掛かっている場合、先にそれを外しておく必要があります。バネ掛けという道具で外します。私のは貰い物ですが、大きな楽器店だと購入できるという話を聞いたことがあります。
通販でも買えます。こちら。
ドライバーの調整
ピボットスクリューやシャフトのドライバーを差し込む切れ込みと、マイナスドライバーの幅と厚みが合っていないと、ドライバーを差し込む切り込み部分の金属がめくれてしまったり、ネジ頭を傷めてしまいます。必ずヤスリやグラインダーで先端を削って合うように調整してから使います。
(グラインダーで削って調整したドライバー↓)
シャフトを外す
ドライバーでシャフトを回し、空回りの状態になったらプライヤ(ペンチともいう。物を挟む部分にギザギザが無いものが必要。)で掴んで抜きます。プライヤは挟む部分にギザギザがあるとシャフトを傷つけてしまいます。ギザギザの無いものを購入するか、グラインダーで削っておきます。外したシャフトはキーパイプに入れて組み合わせておくと、無くしたり組み合わせが判らなくなる事を防ぐことができます。
プライヤを使うときの注意点
プライヤでシャフトを掴むときに注意点があります。シャフトの頭にあるマイナスドライバーを差し込む切れ込みと常に垂直になるように掴みます。平行に掴むと切れ込み部分が曲がって切れ込みの幅が狭まったり、折れてしまったりします。
ヴィンテージなど古い楽器には、こうしてシャフトの頭が折れてしまっているものをたまに見かけます。購入の際には注意してみてみると良いでしょう。
ピボットスクリューを外す
ピボットスクリューを外してキーを取り外したあと、そのスクリューは元あった場所に戻して軽く締めておきます。ピボットスクリューは同じように見えて微妙に相性があるので、場所が入れ替わると不具合が起きる場合があります。
サックスを分解するときにもっとも気を付けなければならないのは部品を傷めないことです。ネジの頭が傷ついたり折れたりしないように道具を調整するなどして、なるべく慎重に作業するのが良いと思います。