今回はコルクの交換、貼り替え方について。
古いコルクや接着剤を剥がす
金属のヘラなどを使い古いコルクや接着剤をこそぎ落とします。金属のヘラはコーキング・ヘラとしてホームセンターに売っていたもの。わずかに弾力があります。
汚れやサビがひどい場合
コルクを接着する面の汚れやサビがあると接着剤の接着力が落ちるので、接着する金属面に粗めの金ヤスリをかける場合があります。サビと汚れを落とすと同時に金属表面に傷をつけることで接着剤が着きやすくなります。
注意点は金属面の角がヤスリがけによって削れ、金属面が丸くなってしまわないように気をつけることです。丸くなってしまった金属表面に平らなコルクを貼り合わすのは、接着力が落ちる場合があります。
コルクを購入する
コルクは
Music Center (伊)
MusicMedic.com (米)
などで購入できます。
国内でも、楽器店によっては購入できます。
コルクの種類
コルクにはナチュラル・コルクの他に、合成コルク(ハイコテックス、テックコルクともいう)などの種類があります。
ナチュラル・コルクの方がキーのノイズが出にくいという利点があります。しかし使用にともって圧縮されると形が変わりやすく、キーのバランスに狂いが生じやすいというデメリットもあります。
合成コルクの方が硬く圧縮する力に強いので、演奏時に強い力がかかる箇所には合成コルクの方が良いでしょう。ただしナチュラル・コルクよりもキー・ノイズは大きくなります。
コルクを接着、形を整える
コルクの接着には合成ゴム系コンタクト接着剤(コンタクトセメント)を使います。コニシボンドのG17やGクリヤーなどが一般的です。
コルクを大きめにカットして、コルクと金属面の両方に薄く塗り乾いてから貼り合わせます。その後にカミソリやカッターで形を整えます。
稀に中古のサックスで、コルク近くの塗装面が傷ついていたりすることがあります。コルクの形を整える際に傷つけてしまったのでしょう。手先の器用さに自信の無い方はコルクを合った形に整えてから接着した方が安全だと思います。
丸い形状のコルク
丸い形状のコルクが必要な場合は、穴あけポンチを使ってハンマーで打ち抜きます。
コルクの厚みを調整する
キーを取り付けた後、コルクの下にサンド・ペーパーをはさんでゆっくり引きます。そうすることでコルクを削って厚みを変えます。サンド・ペーパーのヤスリが付いている面を間違えないように!大変なことになります。サンド・ペーパーの粒度は600番くらいが丁度良いのではないでしょうか。
コルクを削ってキーの開きを適切な開きに調整して完成です。どのくらいのキーの開きが適切かは後々詳しく書きたいと思います。