キーの開きとオクターブ・インターバル

前項で、キーの開きを低く設定しすぎるとイントネーションや音色の均一性に大きな問題を抱えると書きました。この項では、キーの開きを低くしたときに起こりうる問題について書きます。ここでいうイントネーションというのは、各音のピッチの関係性のことです。

キーの開きとピッチの関係

キーの開きを低くしていき、ある限度を越えるとそのトーンホールから出る音のピッチは徐々に低くなっていきます。キーを低くしていくとピッチが下がる、これがキーの開きとピッチの関係性の基本です。

逆にキーの開きを広くしたときには、ある程度の幅を越えると音色やピッチの変化は少なくなっていきます。

オクターブのインターバル

サックスはオクターブキーを押すと1オクターブ高い音が出ます。オクターブキーを押さない時に出る音の高さ、そしてオクターブキーを押したときに出る音の高さ、トーンホールには、このように一つのトーンホールにつき二つ、音の高さが割り当てられているものがあります。

D トーンホールからC# トーンホールまで、この二つの間にあるトーンホールの全てがそれに当たります。(下の写真参照)

OLYMPUS DIGITAL CAMERA

キーの開きを狭く設定しすぎると、この二つの音の関係性(オクターブのインターバル)が正しく出なくなります。

開きを狭くしすぎるとオクターブは広がってしまう

キーの開きを狭くしていくと、ピッチが徐々に低くなります。しかしその影響は、サックスの構造上の理由で二つの音のうちオクターブ上の音よりも下の音の方が大きな影響があります。つまり、オクターブ下の方が上のよりもピッチが大きく下がるので、本来ならば正確に1オクターブであるべきインターバルが、徐々に広がっていくことになります

これらのキーの高さの設定は、オクターブのインターバルに問題がないように考慮する必要があります。逆に、それ以外のトーンホール、High D~High F#、Low B~Low C#のトーンホールはオクターブのインターバルの関して考慮する必要はありません。